TRAINING 研修について

他科転向・開業前研修

 当院では家庭医としてのプログラムを用意しての研修の他、これまでにも他科の医師の方からの「総合力を身につけたい」というニーズに合わせた独自プログラムの研修や、「開業前のため、その準備をしつつ、地域医療の実力を蓄えたい」という開業前の方に合わせた研修を展開した経験があります。

 これらはその事情から、非常に個々のニーズの幅が広く、どのような研修を展開するかは本人と密に面談をして、研修期間や枠組み、具体的な教育方略、雇用条件などを策定していきます。

 これからの時代、家庭医療学は正規の専門コースを経験した家庭医/総合診療専門医だけが行使するものではなく、あらゆる医師/職種の方々がそれぞれの現場に応じて、様々行使されるものであることが望ましいと考えます。

これらの家庭医療学を通じた人の輪を広めていくこともまた当センターの役割と考えております。

 ご興味のある方はぜひお問い合わせください。


開業前研修後の進路

弓削メディカルクリニックでの開業前研修を終えて

私は医学部卒業後初期研修を経て、麻酔、救急診療、集中治療といった主に急性期医療に携わってきました。医師として10年を過ぎた頃から、そう遠くはない将来の継承開業へ漠然とした焦燥感や不安感を抱くようになりました。開業医というこれまでとは異なるフィールドで、‟家庭医”や‟かかりつけ医”を名乗って自信をもって診療することは難しいと考えていたからです。継承開業を見据えた、家庭医療の基本を学べる場を捜していた折、縁あって弓削メディカルクリニックでお世話になることができました。

ここでは無床診療所をベースとして、雨森院長をはじめ多職種のスタッフとともに、家庭医療学、プライマリ・ケア、在宅医療、予防医学などを実践されると同時に、学習会の時間も担保され後進の教育にも力を注がれています。プログラムに則り、私ははじめの1年は基幹施設である弓削メディカルクリニックで外来・在宅診療を中心に、2年目には弓削での勤務に加え、協力施設である米原診療所にも出向し1年半診療所長の経験もさせていただきました。この約2年半の間に医療はもちろん、マネージメントを含め多面的な学びを得ることができました。この間、プライマリ・ケア学会認定医・指導医、在宅医療学会認定専門医の取得もできました。 ここは、多くの家庭医療/総合診療専攻医と指導医だけではなく、いろんなバックグランドを持った先生方とも一緒に学ぶ機会にも恵まれています。そのネットワークの広さから県内外の先生方と交流でき知見を広めることも可能です。雨森先生という‟プロのかかりつけ医”のロールモデルを側に、多方面から家庭医のノウハウを大いに学び吸収できる環境にあるので、私のようなニーズの者にはうってつけの場と考えます。

弓削での濃密な開業前研修終了後は、地元の久留米近郊での継承開業を見据えて、病院と医院の勤務を予定しています。これまで経験してきた急性期医療と、ここで学んだ家庭医療を、私なりにうまく融合・整理しながら「あたりまえの医療をあたりまえに行うことができる‟かかりつけ医”」として地域医療に貢献できればと考えています。と同時に、何らかの形で後進の教育にも携わっていきたいと思っております。

まさに「見ると聞くとは大違い」なので、ご興味のある先生は是非一度見学をお勧めいたします。