FAMILY MEDICINE 家庭医療について

家庭医療とは

家庭医療とは「疾病臓器・患者の性別・年齢・その他医学的技能の専門性にとらわれず、患者ならびに地域住民の健康問題を幅広く担当する医療分野」のことを指します。

そして家庭医は小児から高齢者までのcommon diseaseを診療科に関係なく横断的に扱い、重症度や疾患専門性を正しく見極めながら、時には他領域の専門医と連携し診療を行います。また、患者一人を診るのではなくその背景となる家族までも巻き込む家族志向型の診療や、地域全体の課題と向き合い、問題解決や予防医療を行っていく地域包括ケアも家庭医を特徴づける活動とされています。

詳しくは日本プライマリ・ケア連合学会HPの以下のリンクも参考にして下さい。


「患者さんを中心に医療を・・・」。

そう考える医療者は多くいますが、具体的にはどのようにすればよいのでしょうか。

当センターで重要な概念として、実際の臨床や教育現場にて展開している手法は「患者中心の医療(臨床技法)(Patient Centered Clinical Method)」と呼ばれるものです。

CanadaのWestern Ontario大学にて1980年代に考案された診療モデルになります。

健康、疾患、病い の経験を探る

全人的に理解する

共通の理解基盤を見い出す

患者医師関係を強化する

 この4つのコンポーネントに分かれる各項目を質高く日常臨床で実践できる家庭医を養成するよう、日々努力しております。

参考文献:Patient-Centered Medicine: Transforming the Clinical Method (Patient-Centered Care Series.) Third edition 

 家庭医療(Family Medicine)の名にも冠される「家庭・家族(Family)」という生活の単位。あらためて述べるまでもなく、多くの人にとって、それはとても大切なものです。

 我々家庭医は、家族・家庭とどのように向き合うかを学問として体系化した「家族指向型ケア(Family-Oriented Care)」を実践できるよう、レクチャーやカンファレンスなどを通じて、日々学びあっており、家庭医としての学術的専門性の一側面として高め続けております。

 この概念は、家庭に存在する様々な関係性の変化、家族と健康の関係、健康問題に関わる家庭の問題への介入の方策など、様々な手法や知見がまとめられた概念となっております。

 住民の皆様に対して、家族を適切に扱える家庭医へ。当センターではこのような家庭医を養成したいと考えております。

 乳幼児や小児、成人、老年といったあらゆる年代層の方が、地域で暮らし続けることができるよう、地域のシステム(住まい、医療、介護、福祉、生活支援、等々)は一体的に、有機的につながった形で提供されることが望まれています。我々家庭医はそんなシステムの中である種の調整者としての役割を求められています。

 我々はこの考えを質高く実現するために、Community Oriented Primary Care(COPC)などの概念の他、数々の手法・知見を学び、その実践や教育に力を入れております。

 当センターの家庭医には、その後どんな地域に赴任しても、その地域を適切に分析し、地域の力を最大限に引き出して、地域包括ケアが体現できるような存在であることができるよう、研鑽に励んでおります。